富士吉田市役所 地域振興移住定住課

山梨県富士吉田市は人口5万人弱の富士山の麓の街です。
かえる舎が生まれた街でもあります。
富士吉田市では驚くことがたくさんあります。
街のどこからでも顔を覗かせる富士山の大きさ。
当たり前に水道から出てくる水の美味しさ。
挙げはじめたらキリがありません。
でも、一番驚いたことは、「市役所の方々の熱量」かもしれません。
富士吉田市に来るまでは、市役所の仕事をあまり知りませんでした。
恥ずかしながら「お役所仕事」と揶揄される印象を鵜呑みにしていました。
でも、富士吉田に来て見てきた姿は、自分の時間も顧みず、地域のことを正面から考え続ける姿でした。
なんて素晴らしいんだと。
とても刺激的な自治体です。

左から小俣貴司さん、武藤智恵子さん、藤本ひかりさん

私たちかえる舎が活動できているのも、そんなアツアツな市役所との信頼関係が欠かせません。
5年間、大変なことも、楽しいことも、二人三脚で一緒に走ってきてくれました。
市役所のみなさまには「いや、ほぼおんぶだよ!」と怒られるかもしれませんね。

今回は、最前線でかえる舎を支えてくれている富士吉田市の担当課御三方、武藤智恵子さん(写真中央)、藤本ひかりさん(写真右)、小俣貴司さん(写真左)にお話を伺います。

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武藤智恵子さん→智恵子さん
藤本ひかりさん→ひかりさん
小俣貴司さん→貴司くん
かえる舎→かえる

かえる舎は#地域、#未来、#接着剤

 
かえる
今日はかえる舎から折り入ってお願いが。

ひかりさん
何、かしこまって笑
どう話そうか。ドキドキしちゃいます。(笑)

かえる
いつも通りで大丈です!(笑)
かえる舎、やっぱり富士吉田のかえる舎なんです。
2016年からずっと市役所のみなさまに協力いただき活動ができているので、改めてかえる舎って地域、特に市役所から見てどういう団体なのかなと。
改めて聞くと緊張しますね。

智恵子さん
まずかえる舎とは市の事業として、若者への郷土愛醸成事業を委託しているので、その活動がスムーズに進行していけるようにアドバイスや支援をしている関係性です。
えっと、、、これで、あっているかな?(笑)

かえる
あってます、あってます!(笑)
や、もう本当に支援が手厚すぎて、地域の中に保護者がたくさんいる気持ちです。
経済的な支援ももちろんのこと、一緒に考えてくれて、時には地域の現場に一緒に話にいってくれたり。たぶん見えないところでもっともっとやってくれているんだろうなと。
かえる舎には具体的にどのような期待をかけてくれていますか?

智恵子さん
かえる舎には高校生と大人との接着剤というか、地域への通り道を作って欲しい。
学生は学生の考えがあって、どうしても歳が離れているからやはり距離がでてしまうけど、お互い気持ちはあるので、そこの接着剤の役割を担ってほしい。

ひかりさん
学校・という立場でもなく、家庭という立場でもない。
生徒の立場を理解して、寄り添うみたいな。不思議な立場のお兄さん、お姉さん。
その中で、地域と自分を知るきっかけとか、知って発信する機会などを作ってくれていますよね。
そうすることが生徒たちの今後に向けて絶対いきてくると思うので、本当に期待しています。

貴司くん
私もかえる舎は、地域の学生が今後一回社会に出たり、東京などに出ても、吉田と関わってくれるような意識づけをしてくれていると思います。
潜在意識的に吉田を意識してくれる団体で、未来に投資するような団体かなと思っています。

まだまだおたまじゃくし

 
かえる
担当課の皆さんと一緒に歩んできたかえる舎も、5年経ちました。
かえる舎を始めた時は、代表の斎藤が26歳。そして今は、スタッフの渡辺が26歳。
だんだんと形もできることも変わってきた気がします。
ぼくら自身も説明に困っちゃうんです。(笑)
かえる舎にぴったり合うキーワードって浮かんだりしますか?

智恵子さん
大人でも子供でもない…

かえる
ちょっと足生えたおたまじゃくしみたいな?

智恵子さん
そうそう。(笑)
だから、私の立場としては、大人としてフォローしていきたいなと思っている。
かえるが一生懸命やっていて、純朴でひたむきな良さはあるけど、「不器用さ」もあるので、そこを大人である市がフォローすることで、保護者の理解は得やすいことや、自治体だからできることがあると思って、いつも取り組んでいるよ。

貴司くん
僕のかえる舎のイメージは「わくわくするようなことを仕掛ける」団体だと思ってます。
さっきの未来へ投資するところともつながるのですが、一緒に活動すると未来がわくわくする。
そんな団体ですね。

かえる
そう言ってもらえて嬉しいです。
伝わりにくい活動だと思うんです。いつもありがとうございます。

ひかりさん
私は、担当課について4年が経つけど、かえる舎と関わり始めたのは1年目。
いつも情報共有をしてもらって話の中ではわかっていたけど、今年、実際に生徒さんたちが活動している場に参加して、「この活動は、すごくいいことだな」って思いました。

貴司くん
僕も、今年の夏のタウンスニーカーの取り組みの発表会が記憶に残ってますね。
取材している時から一緒に行かせてもらったけど、みんなすごいしっかりしているなと思いました。

市内循環型バスの利活用提言時の写真

ひかりさん
私もそこがとても印象的。初めの生徒さんたちと発表した生徒さんの違いというか、見た目も変わっていた。
そこに、自信持ってキラキラしているのが加わって、「この子達をこういう風にさせてあげられることってすごいな。」「この短期間で、この子たちがいろんなことを感じたんだな」とその場で感じられるね。かえる舎の活動は、毎回その場に立ち会うと実感します。

かえる
確かに、全員最初と最後の顔がぜんぜん違いますね。
そして、言葉使いはどんどん悪くなっちゃうから発表の時はヒヤヒヤなんですよ!笑

ひかりさん
ヒヤヒヤはわからないけど、本当キラキラしてるよね。

智恵子さん
そうそう、楽しそうだよね。
でも、もちろん楽しいことばかりではなくて大変な思いをしていると思うけど、発表の時は充実感があって、顔つきが輝いている。
そういう一瞬一瞬がすごく大事だし、自信にもなるからね。

かえる
かえる舎の特徴は、年に5・6回泣きそうになる瞬間があるんです。
甲子園を見ている気持ちです。

智恵子さん
わかる。
なにか頑張って取り組んで、そして、それが誰かに喜んでもらう活動だから、もう。
市長室で、富士みそ子の取り組みの時に、一人の女の子が「地域の大人の皆さんに感謝したくなった。」っていってくれたんだよね、あれはとてもうるうるした。
自分たちがほめられたわけではないけど、若者に地域のおばさん・おじさんが認めてもらった。
そういう心持ちになった。
大人になって褒めてもらえたことがないので、学生がそういってもらえたことがとっても嬉しかったよ。

市長に味噌を贈呈した時の様子

かえる
あれ、しこんでないですよ?
前日に「ちょっと市長さんのところいけるぞ!」って声かけてたくらいなので。

智恵子さん
かえるの活動は一緒にやる人も元気がもらえる。
かえるの活動だけでなく、周りも元気になれる。
そういう相乗効果が必要だよね。
だから、せっかくだからもっと知ってもらえるように促すことは意識してるよ。

かえる
ありがとうございます。今年は本当に多くのメディアに出していただきました。生徒たちも嬉しそうで、保護者の方々も誇らしげに新聞に蛍光ペンを引いていると話を聞きます。

一緒に育んできた富士吉田のかえる舎

 
智恵子さん
一番感動したのは、代表の和真くんが寄稿したもので、「どうやったら富士吉田市に貢献できるか?というのが活動の源泉です。」ってて書いてあったやつだな

かえる
自治体向けの情報誌「地域づくり」の記事ですね。

智恵子さん
そう言う気持ちで取り組んでくれていることがとても嬉しいし。
そこにバックアップしなきゃいけないなと思った。そんな有難い言葉ってない。吉田の人間じゃない人が住んで、吉田のためになるってことが活動の源だって言ってくれること。
かえる舎ってそう言う人たちがつくっている団体。
絶対変な活動をするはずがないと思っているよ。

かえる
でも、僕たちはほんと初め出来なくて。
たくさん市役所の方や、地域の方に、愛あるお叱りを受けて、本当育ててもらいました。
今でも至らないところが多いですが。

智恵子さん
地域としても、5年かけてかえる舎を作ってきたっていう自負があると思うよ。
だから吉田のかえるジャンって思う。笑
正直。そうやって、地域のみんなが自分たちのって思ってくれるって素敵なことだと思う。

かえる
副代表の赤松は本当に素晴らしくて、タミフルみたいに困っていることや課題をうまく解決まで持っていけるんです。
人柄的にも巻き込み方的に上手。すごいんですよね。
でも、代表の和真やスタッフの紀子はそんなに強くなくて、漢方みたいなタイプだと思うんです。
じわじわ効いてきてきて、10年後地域をふりかえった時に、前向きに地元を肯定できる人材が増えているみたいな。

智恵子さん
そうなると両方必要だよね。
漢方もワクチンも必要。いいコンビだと思う。両方必要だからね。

かえる
赤松には、ふるさと納税の授業を今は担当してもらっているんですが、授業は1年間の決まりがあって、ワクチン的になんですよね。
目的とゴールが決まって、そこを目指して取り組んでいく。
その反面、部活のかえる組は無駄な時間も多い。
一緒にボードゲームをやっていたら時間が終わってしまうなんてことも。
でも、そんな関係性の中でぽっといわれたことから熨斗の活動がうまれたり、近い関係性だから自主的に意見が出てきたり、自由な発想をぶつけられたりもすると思うんです。
だから、病院で全員に薬を処方しないといけないし、もっと進みたい人には、ライザップのように一緒に取り組むことも必要だなと。

智恵子さん
そう言うのを、見つけながらじゃないと出来ない。
そういう活動が認められているから、高校から小中、さらにはその先とひろがっているんだなと思う。
一回やって認められているから続く。
ほら、漢方ってやめやすいから笑

かえる
本当ですね。笑
服用してもらえるよう、隣で促すか、よっっぽど漢方中毒になるかですね笑
高校生の地域活動支援を自治体がバックアップするのは、まだまだ全国的に見ても稀なケースだと思います。

智恵子さん
それはほんと市長さんのおかげというのもある。市長さんが理解してくれているのもある。
県立高校だとか関係なく、それを理解して、活動を進めてくれる。これはすごいと思うね。
一つずつ信頼を築いて活動をしてきたからだね。
これからもみんなで頑張っていこう!

かえる
はい、頑張ります!
これからも引き続きよろしくお願いします。
今日は貴重なお時間とお話を本当にありがとうごさいました!

これからも富士山の麓でこつこつと

 
市役所の先輩たちにと一緒に走ってきた5年間。
平坦なコースではなく、アップダウンもあるし、おまけに障害物競争だという道のりでしたが、いつも背中を押していただいています。
恩返しの気持ちで、御三方のような「地域のために」と意思を持つ次世代が増えるよう活動を進めていきたい、いや、いきます!

EDIT

斎藤 和真

かえる舎の代表。趣味は漫才とラーメンと川。最近任天堂switchを買ったらしい。ヒューマンホールフラットを買ったらしい。